悩み事は、自分の性格をよく知っている家族や友人に相談するほうが「わかってもらえる」気がします。
そういうときもあるでしょう。
でもときどき、「話さなきゃよかった」そう思うこともありませんか。

確かに、家族や友達の方が細かい説明をしなくてもわかってもらえる部分もあるでしょう。
落ち込んでいるあなたが心配で、じっくりと話をきいてくれるでしょう。
一生懸命考えて、全力で応援してくれるかもしれません。
- いいことだけみて前を向こうよ。元気出そうよ。
- あなたは悪くない、気にしすぎだよ。
- きっと明日は大丈夫。
でも、家族や友達にとって、落ち込み続けているあなたをみているのは辛いもの。
おなじ相談が何度にも、何日にもわたって続く場合、状況は変わります。
相談されている側の「なんとかしてあげたい」「元気にしてあげたい」気持ちが、ますます強くなります。
最初は励まされて元気になっていたあなた
問題が解決せず、不安が強まると何度も相談してしまいます。
良さそうなアドバイスをもらっても不安が強まり、励ましの言葉にも「だって」「でも」で答えてしまう。
「そんなことできないよ」「どうしてわかってくれないの」という気持ちがあふれ出てくるでしょう。
一方、家族や友達は、アドバイスしても納得しないあなたに苛立ち
憂鬱な言葉を投げかけ続けられて、自分も不安になる。
何をいってあげても元気にならないあなたにウンザリして、ついきつい言葉を返してしまうこともあるでしょう。
そんな家族や友達は、あなたを嫌いなわけでも、冷たいわけでもありません。
もちろん、家族・友達の期待に応えないあなたが悪いわけでもありません。
そういう関係性であるということ。
カウンセラーという仕事をしている私自身も、仕事として家族に関わることができず、いら立ちを感じることはしばしば。
暗い顔していたらつらい。
ネガティブな方向ばかりに目を向けていたら、「そんなのだめよ」と言ってしまう。
それは、そばに居る人に「元気に笑顔で居てもらいたい」「手を切り離すことはできない」そんな気持ちが強いからでしょう。
友達、特に家族の縁を、簡単には切ることはできません。
家族とは、そういう密で、境界を作りにくい関係なんです。

長く続く悩みや落ち込みは、カウンセラーなど第三者に相談したほうが良いでしょう。
家族や友達のように、簡単にはわかってもらえないかもしれません。
説明も必要かもしれません。
でも、カウンセラーは、あなたとは別の人格で、別の価値観を持っていると知っているから、一生懸命お話をききます。
境界のある人間と話すからこそ、いままで見えなかった自分自身を知ることができることもあるでしょう。